初冬
橙午
サーモンピンク、ちぎって投げた
楓はみるみる酸化する
しゅうしゅう冷たい風の中
沈む蜜柑は
輝石
(
いし
)
になる
海に潜ってゆくように
藍はずんずん深くなる
ひゅうひゅう荒む風の中
青蓮居士は
明星
(
ほし
)
になる
ちりちりちりり 車輪は廻り
切り絵のせかいを駆け抜ける
わたしが紙で、あなたも紙なら
ペンでらくがきしてみたい
墨にぽとんと落とされた
月が光を滲ませる
とりまく煙に負けぬよう
珈琲一杯 復た一杯
自由詩
初冬
Copyright
橙午
2009-12-03 20:29:34
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