コブクロ
ふくだわらまんじゅうろう
ガツだ
ハツだ
コブクロだ
どうしても
ホルモン好きで
止まらないんだよ
コリコリと
シャキシャキと
なんとも歯ごたえ
ぼくを殺す
やった
やられた
そんな関係だ
ホルモンだ
炭火で焼いても
鍋で煮ても
寝ても
醒めても
野菜とホルモン
レバ刺しとかばっかりじゃなく
ときには血管とか
肺だとか
だけどコブクロって
赤ちゃんのおうちなんでしょ?
なんて
思うと、ちょっと
後ろめたいのさ
かわいそうだり
もおしわけなかり
だけどおいしい
ホルモン的罪の世界。ぼくはきっと
浄土へは行けない
それでもホルモン
やった
やられた
そんな世界だ
そうさ
ぼくはおまえを喰らう
喰らうけれども
おまえも喰らう
そうなのだ
おまえだっていつかぼくを喰らうのだ
喰らうときには
どうか
どうかどこからどこまでも
喰らい尽くしてほしいと願うのだ
それがぼくらの
この丸い地球の上での
やった
やられた
生きた実感の
世界だ
宇宙だ
大好きだ
おまえはぼくのおいしいで
ぼくはおまえのおいしいだ
やがて世界は
おいしいものどうし
生きているんだ
生きているんだよ
ホルモンなんだよ
きれいでも
きたないでもない
やった
やられた
しあわせの世界
あいしてる
なんて生温い言葉よりも
ぼくは
おまえを
喰らい尽くすのさ
そしておまえも
いつの日か