朝のシンフォニィが奏でられる
瀬崎 虎彦

季節は甘いにおいをさせて
生きた痕跡を残していく
死は果実の着地とともに
再生の希望を託す

もし声が種子のように
どこかで芽を出すのならば
それは共振する
土壌の中がいい

次第に気温が高まり
温室の中で僕は
目を覚ます

体はまだ思うように動かないけれど
意識は澄明になり
朝のシンフォニィが奏でられる


自由詩 朝のシンフォニィが奏でられる Copyright 瀬崎 虎彦 2009-11-28 19:42:54
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