昔ばなし 桃太郎 ばっさりカットされた部分
北大路京介
犬や猿などを連れて、鬼ヶ島へ向かう桃太郎御一行。
舟を漕いで海へ出る。その直前のシーン。
1匹の亀が桃太郎に近寄ってきました。
亀:「桃太郎さん、ももたろさん。いまなら、きびだんごポッキリ!
1時間きびだんごポッキリで!」
桃:「おぅ、竜宮んとこの亀やないか 元気にしとるか?」
亀:「へぃ、ぼちぼち元気にしております。おおきに。
いまならサービスで、
club竜宮が誇るナンバーワンの乙姫ちゃんをつけさせていただきますよ」
桃:「最初の指名料がサービスっちゅうことか。
乙姫ちゃんを一晩貸切りってわけやないんやろ??
ほかの客から指名かかったら、乙姫は他の席に移ってまうんちゃうのんか?」
亀:「あいたたー さすがは日本一の桃さんやー。お見通しですなぁ
鬼退治前の必勝会というか団結式なんかいかがでしょうか?
店のほうから景気づけの乾杯、サービスさせていただきます。
美女たちから『桃ちゃん、がんばってー♪』言われるほうが
テンションあがりますやろ?」
桃:「そりゃ、そうやなぁ。 でも、あのな。
じつはな。『クラブ竹』ナンバーワンの小悪魔kaguyaが気になっとんのや。
殿方に無理難題の貢がせものを要求する えらい高飛車な娘やそうやないか。
あれはなぁ、たぶんツンデレやな。ツンデレやと思うねん。
どんな べっぴんさんか、ひと目会いにいこうかと思てるねん。」
亀:「ははぁ、小悪魔kaguyaですか。たしかに人気ありますよね。
カリスマ姫ですもんね。
kaguyaは、あの伝説の最高級クラブ『 Moon 』に引き抜かれたらしいですよ。」
桃:「『 Moon 』といえば、完全会員制の遠い遠いとこやないか!
そうかぁ、kaguyaは手の届かないとこに行ってしもたか。」
亀:「ところで、連れてらっしゃる犬、可愛いですねぇ」
桃:「そやろ かわいらしやろ??
チワワかミニチュアダックスかで迷ったんやけどな、
乙姫ちゃんが『トイプードルが好き』言うとったからな、トイプーにしてん。
人気のテディベアカットにしてもろたわ。」
亀:「乙姫ちゃん、猫より犬派ですからねぇ。これは気に入ると思いますよ。
それとまた、この白い小猿。なんですか?」
桃:「【母をたずねて三千里】で、マルコが世話しとった小猿おるやろ。
アメディオとかいうやつ。
あれ、ピグミーマーモセットっちゅうねん。
わざわざ南米から取り寄せたんやで。
あっ 乙姫ちゃんには、
“桃さんが、南米で仲良くなった猿”っちゅうことにしといてな。
アルゼンチンの荒野をひとりで歩いた話しもするから、
ちゃんと話し合わせといてんか。
南米の鬼、めっちゃ強かったわー ってことも言わんとなぁ。
そやっ、 この猿は、その南米の鬼から救ってやったことにしとこか。」
亀:「可愛い犬、可愛い猿、そして、
なんでまた鳥は可愛いのにしなかったんですか?」
桃:「キジやで。」
亀:「えぇ、キジですね。」
桃:「国鳥やで。」
亀:「国鳥ですね。」
桃:「トキは、なにかとまずいやろ?」
亀:「トキは、なにかとまずいですね。」
桃:「トキにしたかったんやけどなぁ。やばそうやん?」
亀:「やばいでしょうね。」
桃:「学名のニッポニアニッポンにめっちゃひかれたんやけどなぁ。」
亀:「はぁ。鳥に可愛さは求めなかったんですかぁ。
で、この。。。 このドでかいやつは、なんですか?」
桃:「こいつは、巨大ひとつ目鬼のサイクロプスくん。」
亀:「サイクロプスくん?」
桃:「『目には目を 歯には歯を』、『鬼には鬼を』や。」
亀:「鬼には鬼を… よくこんなん見つけてきましたねぇ。」
桃:「ギリシアのほうからスカウトしてきたねん。
助っ人外国人選手みたいなもんやわな。」
サ:「 ンガァー!」
亀:「こ、こいっつぁ 心強い助っ人ですね。」
桃:「金太郎もサラリーマンになって昇りつめてるらしいからなぁ、
負けてられへんわ。
鬼退治しまくって、民衆の人気を得て、県知事を経て、
国政へ打って出たるで〜。
日本一の名に相応しい男になったるんや。目指すは、天下人やで。」
亀:「よっ 桃太郎さん、日本一!」
桃:「天下を獲って、乙姫ちゃんも kaguyaちゃんも手に入れたるで〜」
亀:「よっ 天下人!」
桃:「前祝いに竜宮で騒ぎたいところやけれども、カタナが。刀が血に飢えておる。」
亀:「桃太郎さん、刀、新しいのに変えはったんですか?」
桃:「えっ 新しいのん、わかる? わかっちゃった?
刀鍛冶の神様に特注で頼んでんで。
オリハルコン製の日本刀よ。切れ味抜群。えら斬れ。
おもしろいくらいよく斬れる。バッサバッサ斬れて、めっちゃ気持ち良いわ〜」
亀:「鬼退治が終わりましたら、祝宴は是非とも我がclub竜宮で!
いま予約してくださったら、
歌姫アユとのデュエット、爆笑王サンマの漫談もセッティングしときます。」
桃:「ほな、ちゃっちゃと鬼ヶ島攻略してくるさかい。よろしゅう頼むで。」
亀:「ははぁ。 いってらっしゃいませ。」
桃:「ばっさり、ばっさり、斬って斬って、斬りまくるで〜」
編集室「・・・。 このシーン 全部、ばっさりカットね 」