朝暗いうちに
吉岡ペペロ
大阪を発ち東京に向かっていた
車窓の闇のせいで
一瞬夜のような錯覚を覚える
これは朝の暗さなのだ
車内の匂いがまだ人間に撹拌されていない
車内の明かりの鮮度に目がなれてゆく
車窓の闇が
濃い藍からブルーに解けて色をなくしていった
よく冷えた洞窟のような鼻と頭で
この出張の大義名分を探す
会社の未来をたぐり寄せるため
この行動がアンテナを引っ張りだしてゆく
大阪を発ち東京に向かっていた
車窓の闇のせいで
一瞬夜のような錯覚を覚える
これは朝の暗さなのだ
車内の匂いがまだ人間に撹拌されていない
車内の明かりの鮮度に目がなれてゆく
車窓の闇が
濃い藍からブルーに解けて色をなくしていった