朝暗いうちに
吉岡ペペロ

大阪を発ち東京に向かっていた

車窓の闇のせいで
一瞬夜のような錯覚を覚える
これは朝の暗さなのだ
車内の匂いがまだ人間に撹拌されていない

車内の明かりの鮮度に目がなれてゆく
車窓の闇が
濃い藍からブルーに解けて色をなくしていった


よく冷えた洞窟のような鼻と頭で
この出張の大義名分を探す
会社の未来をたぐり寄せるため
この行動がアンテナを引っ張りだしてゆく


大阪を発ち東京に向かっていた

車窓の闇のせいで
一瞬夜のような錯覚を覚える
これは朝の暗さなのだ
車内の匂いがまだ人間に撹拌されていない

車内の明かりの鮮度に目がなれてゆく
車窓の闇が
濃い藍からブルーに解けて色をなくしていった


自由詩 朝暗いうちに Copyright 吉岡ペペロ 2009-11-26 13:19:39
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