Луна(ルナ)
ルナ


小春日和の太陽は
一見優しく
地上に温もりを与え
散りゆく草木を
名残惜しむ
その慈しみに触れたと思い
人々は
それぞれの想いを胸に
去りゆく
季節から日常から人から
帰化していく
沈みゆく夕日を見送りながら

訪れる夜の闇の中で
与えられた温もりは
静かに
宇宙に返されなければいけない
放射する熱は
妨げる雲でも無ければ
どこまでも昇り
月までも届く
そして
地表は冷却され
真っ白な
刺々しい
霜に覆われる

空虚な心に
与えられた
一時の温もりも
恋しくて
悲しくって
切なくて
会いたくって
触れたくて
そんな願いも
遮るものが
何も無いから
月までも届く




自由詩 Луна(ルナ) Copyright ルナ 2009-11-24 18:53:18
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