犬を容れておく犬
井岡護
脚で立つことの違和感では
耳や指に入り込む砂とは明らかにされずに
厚みですか
では開くのでしょうね
それがそれであるという意味
腕に噛み付くと大きな声を
抄本に
抄本へと
いくつもの皮膚を指示しようとしない
やはり衝立てのない霧では
参照や石に肺を打ちという
はるかに暗いとは白いねじ曲げ
このとおりだ
直角に融ける紫の浮標
袋の中には
では
大きな枝などないから
厚みですか
では開くのでしょうね
数える
名付ける
端を切り落とす
硝子の牛の机です
自由詩
犬を容れておく犬
Copyright
井岡護
2009-11-24 07:16:55