草野春心

殺風景。つめたい椅子のような
 冬が。ぼくの骨をつかんでいる
  夜は。まばたきをくりかえしている
   枯れた此処に在るのはさ。枯れた現在
    なんでもない路上で生きて。死んでゆくだけさ
     生きて。ゆっくりゆっくりと死んでゆくだけさ




ひとは冬。枯れて、ね、死んでゆくだけさ、
 さ、殺風景な此処、現在、なんでもないさ。
  路上、ホラ、野良犬が死んでいるよ。そのうえに
   でっかい、まあるい、ものがうかんでいるよ。そ。
    そ。それがぼくの骨をいつまでもつかんでいるよ。
     いつまでもいつまでもいつまでもつかんでいるよ。



自由詩Copyright 草野春心 2009-11-24 02:58:57
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