あと何回、冬を知るだろう
小林 柳
東北ではとっくに
初雪が降ったそうだ
私は今日も命を無駄にして
偶然に生きている
また会おうね
そう言って会えなくなったのは
もうずっと前のことで
いつか忘れてしまうだろう
日付だけが規則的で
日々は曖昧だ
それでも もう少し
まだ生きていける
冬に初めて燃える
石油の匂いを
私はまた嗅いでいる
冷たい風に
また足を速めている
そして私は
また冬だと知る
自由詩
あと何回、冬を知るだろう
Copyright
小林 柳
2009-11-23 18:47:52
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