寅午

コップのなかで日常がほほえんだ
ひとときのあいだ
波紋をひろげて
夏の窓辺に

コップのなかで生きる
ちょっとした雨降りにあふれだし
3、4日日照りがつづくと乾いてしまう
コップのなかの日常
ささいな不安に
水面がゆらぎ
一センチに満たないさざなみに
夜がねむれない

きょう、何ごともなく
明日、何も変わらないこと
コップのなかで生きるもののねがい
ほそく、長く命の道をのばし
だれよりも幸せでありたいとねがう
コップのなかの日常

カエルでもない
鳥でもなく
いつか、夜空に流れ星をみつけ
大地をながれる川でありたいとねがう


自由詩 Copyright 寅午 2009-11-23 17:49:17
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