『骨』
東雲 李葉

積み上げたものを崩すのは容易く
 失ってしまえば戻らないものばかり
  作り物みたいな寝相が少し 怖くて 
   呼吸を口で確かめた あなたは今、確かに生きてる

月明かりだけがこの世界の光源
 あなたの鎖骨にかぶりつきたい
  たおやかな指で髪を撫でて
   余韻を含んで笑う ああ、この感情を何と呼ぼう

美しい時間は共に過ごした証と
 いつかこの夜を思い出せるだろうか
  あなたは何時までここにいるだろう
   失ってしまえば戻らない 肉は朽ちて血は乾き

仄白い皮膚だけが真白い骨に貼り付いて
 それはそれは珍しい生きてた形
  呼吸を忘れさせないように
   その口を塞ぐ獣 人形を愛せぬ、獣

積み上げたものを崩すのは容易く
 失ってしまえば戻らないものばかり
  作り物みたいな寝相が少し怖くて 
   呼吸を吻で確かめた 鎖骨を撫でると、微かな、声


自由詩 『骨』 Copyright 東雲 李葉 2009-11-21 04:57:41
notebook Home