嘘とアジサイ
雨流れ。

言葉は時々嘘になる 
心は時々嘘をつく 
優しい嘘であって欲しい 
悲しい嘘は不安になるから 

君の癖 
嘘をつくときの癖 
僕をじっと見つめる 
普段は視線合わないのにね 

雨が汚れを流すなら 
涙は何を流すのか 
教えて欲しい 
この涙に理由が欲しいから 

キズナを失って幾月か 
しとしと降る音に耳傾けて 
アジサイの咲く頃を生きている 
嘘でも君の幸せ願いながら 

過去ばかり見ていても 
前に進むことは無いけれど 
過去を亡くした人は 
思い描く世界には行けない 

優しい嘘も悲しい嘘も 
過ぎ去った時間に流されて 
吹き抜ける乾いた風が 
梅雨が終わる事を告げた 

嘘をついてから幾月か 
冴えない過去も大切に抱いて 
小さな雨粒の止む頃に 
空見上げて少し笑った 


自由詩 嘘とアジサイ Copyright 雨流れ。 2009-11-20 05:31:54
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