西日は外で焚け
さわ田マヨネ

感光しすぎた白い写真を持ち歩き
生まれるひびに影が走った

ふかまらないよう
いっていたカレーパンのため (弱火の
コクはゆげを捨て
ぼとり
日陰についた/落ち葉はもう
外ではなく
具になったろう

乾き はじめて
蜂が羽ばたく 
羽ばたくと空気がびびって
ふるえた
そこでようやく音が鳴る

脇で寝かせない
夜の冷蔵庫
影よりも感度がずっと速く
近づいて 白い
中が白い
吐いて くもった 「外の空気」とへりくつをこねて
どこにも見当らなかった
家中の針は湿ってしなり (縮小再生産といわれてなえていた)
好きだったレコードを火にくべる

ぱち、ぱち

ふるえる
足の裏で鳴いた
煉る前すすは 天井であえた


自由詩 西日は外で焚け Copyright さわ田マヨネ 2009-11-19 09:00:04
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