独白二篇
笠原 ちひろ








電車をおりたら、正しい冬の予感がした
冬の匂い!
冬の匂い!
冬の匂い!
冬の匂い!
冬の匂いが冬の匂いで
あたしはとっても幸せだ
今年の冬はシチューのCMみたいな
正しい冬の予感がする
客観的にみればいつもの冬と同じように
いいこともあればわるいこともある
ひとつ違うのは
わたしがわたしに
「幸せでいていい」ときっぱり許可をだしたことだ
覚えの悪い犬を相手にするみたいに
根気よく教えこんだんだ
幸せでいていい
幸せでいていい
幸せを感じる権利がある
たとえどんな状況にいたって
幸せを感じる権利がある
幸せでいていい
幸せでいていい

冬の匂いが冬の匂いで
あたしは
とっても
幸せだ!









完璧であらねばと
自力で
完璧にならねばと
思い込んで
なれなくて
いろんなことを
横目でみながら
なにもできなくてじっとしてた
けど

もはや
及び腰は
お呼びじゃなくて
勇み足で
たんたかたんたん
ステップ
踏んで

じゃんじゃかじゃんじゃん
人目にさらす
なにをって
あたしを

生きる

から

さ!











自由詩 独白二篇 Copyright 笠原 ちひろ 2009-11-18 18:16:18
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