空の向こう
within

結局はどこまでも孤独で
一日の終わりが
生命の始まりのよう

音もないのに
赤子が泣いている

そんな気がする

音も立てずに
心が
熟れ過ぎた果実のように
裂ける
誰にもぎ取られることもなく
地面に落ちていく

見返りなしで
愛情を注ぎ続けることが
できない僕は
弱すぎて

僕の心は
結局はどこまでも孤独で
旅の夜空を見上げながら
朝が来るのを待っている

受け入れられることのない
思いは
終わることを恐れて
歩み出すことができない

結局はどこまでも孤独で
膨らんでいた希望も
いつのまにか
しぼんでいた

飛んでいった赤風船

手を放してしまったことを
後悔しながら
もう戻ることのない空を見て
僕は濡れてゆく


自由詩 空の向こう Copyright within 2009-11-16 03:37:09
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