硬質なつらなり
こしごえ


石の
私を
知っている
この道中を 転がるねむりにつくまで
一瞬の銀河を

青いトンボ玉の影は透けて
石と添い寝をする。こんにちは、
樹木の芽の
吹き出る
空気が澄み
口をすすぐかたい直立
湾曲す
空を見上げる

黒髪の人形の視線は
無影灯の性交を燃やす闇につらぬく
日を反射する蜘蛛の糸
しろいくびすじのかたむきの

ヒグラシがないている遠くの
林で、あるヒグラシは蟻に運ばれ
縁側にて私は紫煙を
くゆらす
日に透ける蟻の


深いためいきとともに煙を吐く
糸もゆれるしろがねだ






自由詩 硬質なつらなり Copyright こしごえ 2009-11-15 11:05:29
notebook Home