はり。
aokage
木造の家。
年老いた梁がぱきりと声をあげる。
見上げると其処には長い年月を経た木目としみ。
ぼんやりと眺めているとまたぱきりと鳴った。
そうかこれは、
おまえの役目が終わる音なのだね。
この家を支えてくれた、おまえの最期の叫びなのだね。
随分世話になった。
わたしが産まれる遥か昔からこの家を護ってくれていた。
おまえの自然なぬくもりに、ずっと癒されていたよ。
ありがとう。
もうすぐ終わりの時がくる。
永久に続くであろうおまえの眠りに、やわらかな言葉を捧げたい。
どうかやすらかに、おやすみなさい。
おまえの優しいあたたかさは、きっと永遠に忘れないから・・・。