はり。
aokage




木造の家。

年老いた梁がぱきりと声をあげる。

見上げると其処には長い年月を経た木目としみ。

ぼんやりと眺めているとまたぱきりと鳴った。



そうかこれは、



おまえの役目が終わる音なのだね。


この家を支えてくれた、おまえの最期の叫びなのだね。



随分世話になった。


わたしが産まれる遥か昔からこの家を護ってくれていた。



おまえの自然なぬくもりに、ずっと癒されていたよ。





ありがとう。




もうすぐ終わりの時がくる。


永久に続くであろうおまえの眠りに、やわらかな言葉を捧げたい。






どうかやすらかに、おやすみなさい。



おまえの優しいあたたかさは、きっと永遠に忘れないから・・・。











自由詩 はり。 Copyright aokage 2009-11-14 15:41:33
notebook Home