家族
朧月

人は一人だと知ったのは
夕暮れの空き地に隠れたときだった
もう帰るもんかと思ったけれど
戻るしかない自分を恨んだときだった

なぜ子供は親を選べないの
なぜ生まれる場所を選べないの
親は親である前に人間で
子供は子供であっても人間だ

理不尽て言葉を知る前に
不服って言葉を知る前に
いやだって言葉だけは知っていた
いやだって気持ちを知ったから

あなたも あなたも
あなたたちも
家族ってあったかいっておもってるけど
あったかい家族ばっかりじゃないんだよ

それでも家族は家族なんだけど

つくりたい人でつくればいいと
家族ってそんなもんじゃないと
家族を知ってる私が思うけど
家族を知らないあなたはどう思うかな


海の底の魚みたいに
固まって泳ぐ魚みたいに
みんなでただ 泳ぎたいな
みんなでただ 一緒にいたいな



自由詩 家族 Copyright 朧月 2009-11-13 21:27:47
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