スノーホワイト
yo-yo

あまりにもどこも真っ白な
いちめんの雪
道のない道をあなたとふたりで歩いた
あめゆじゅとてちてけんじゃ…
あなたは呪文のようにつぶやきながら
私がすくった雪のかたまりを口に入れた
もしもミクロの目をもつ星人だったら
ここはお花畑か天空だろうねと
あなたは言った
うしろを歩いていく私は
ミクロの宇宙には入っていけなかったが
あなたの大きな靴あとに私の靴を沈めながら
おどけた子供のような大股になったとき
青くてふかい空が傾いて
お花畑が見えたような気がした
花の芯から花の芯へと
飛びかう虫にはなれるとしても
あなたの妹にもなれない私
道もない白い世界に
あなたと私だけがいて
今このときだけはもしかしたら
雪の中にしっかり残る
雪の中にすべてが消える
それなのに黙々と歩いてゆく
まがったてっぽうだまのような…あなた
立ちどまって振りむくとホワイト
ただ足跡だけが残っていた







自由詩 スノーホワイト Copyright yo-yo 2009-11-13 19:53:34
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