月山・周海沼
Giton
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雨が上がって雲になり
空が下がって池になる
森の侵入 まわるく埋め残されたかがみ
濡れた獣は不便だ 毛が固まって寒くなる
飛ばない鳥 窓から眺める雨脚のあわ
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縺れた足音だけが聞こえる昼下がり
枝の墜ちる響にはっとする
(飛び去って行く尾の長い鳥)
5月の雨に縮んで融ける根際雪
(ぶなの葉は銀のうぶ毛)
きみはずっと付いて来るつもりで
(林の奥はガスにけぶる)
ぼくにも小さな義務感が芽生える
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自由詩
月山・周海沼
Copyright
Giton
2009-11-13 19:21:21