悴(かじか)む
within

宙から糸を引くように
いくつもの魂が
みちびかれてゆき
草むらのコオロギもまた
静かに時を止めた

ゆっくりと過ぎてゆく僕の時間も
  に包まれて
黄金の金糸に引かれてゆく

冷えた身体を擦り合わせて
決して忘れないように
真皮に刻み込む

彼方に見える群青の山は
辿り着けない思いのようで
心を立ち止まらせる

氷の風がやってくる
もうすぐこの町も凍りつく
水の神秘が世界を洗う


自由詩 悴(かじか)む Copyright within 2009-11-11 17:10:28
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