酒に酔うて
田園

酒に酔うて
人に酔うて
乱雑な物言いをして

おれはこんな所へ居る者では無い
もっと高い所へ居る人間だ

そんな事を宣って

あらケンさんその通りだわよ
あなたは私から見ればお高い御仁

ケラケラと女の笑い声
老人の呆れ声そして病的なせせら嗤い
ああ酔いが回る酔いが回る

鈍重な重石で潰された様だ

おれは人にガンガンと頭を打ち付けられて
自分でもガンガンと頭を打ち付けて

潰れてしまった
潰れてしまった

ゲロと共に昔見た野菊の立ち姿を思い出す

摘めば消える
花は消える

そんな命
そんな命

だがふと母ちゃんの匂いがした
背中を撫でられたような気がした

酒に
しこたま酔った


自由詩 酒に酔うて Copyright 田園 2009-11-11 05:14:40
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