たまごの夜
Giton

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こんな寒い夜は
星がぽっちゃんぽっちゃんふってくる
   (星って 卵みたいにぐちゃぐちゃじゃないか)
星の殻が割れて 星のなかみが背に落ちる
きみの背中は銀色に光って 青白く光って まばゆい赤に輝いて
   (夜空の遠くで 澄ましている星たち)
きみは痩せ馬のように 夜空の下をあるく
星は ふりしきる もうべとべとになったきみの背中が
夜空の下をすすむ ぽっちゃんぽっちゃん
星のなかみが 野に落ちる 木の枝に落ちる
あすの朝には 氷っているだろう 星空のなかみ
きみはぼくにだけ見えればよいから
もう日は昇らないほうがよい
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自由詩 たまごの夜 Copyright Giton 2009-11-10 12:32:51
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