この街を好きにはならないと
瀬崎 虎彦

スノビスムの撃鉄を起こし
シャルル・ド・ゴールに降り立った
着陸までは青空だった
雲の上だから当然だ

愛やその他の悪意を捨てて
身一つで旅に出るならば
そのような悪意から逃れられず
また愛に還っていく

寒い地下鉄のホームで
僕は押しつぶされたり
投げ出されたりしながら

十中八九こころでは
この街を好きにはならないと
確信を抱いていた


自由詩 この街を好きにはならないと Copyright 瀬崎 虎彦 2009-11-08 21:26:00
notebook Home