遺言状
夜明けまえの王様

「書く」とは
肉体があげる悲鳴かもしれない

そこに僕はいない

ただ体だけがあり
悲鳴をあげている
苦しくて悲鳴をあげている
僕はいない

ペンがすべっている
勝手にすべっている
誰の声とも知らぬ叫びを
ペンが書きつけている

ハトに
純白のハトにボーガンの矢が刺さっている
非常識な少年の犯罪だ
ニュースがそう言っていた

僕の頭にも
ボーガンの矢が刺さってくれればいいのに
こんなに口をあけて待っているんだ
この肉体から 解き放たれ
自由になりたいと

僕は解放される

「大丈夫、10時には元気であらわれるさ!」


自由詩 遺言状 Copyright 夜明けまえの王様 2009-11-08 01:43:17
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