あなたの顔に茜射し
都志雄
手をつないで歩こう
すこしだけ上を向いて
秋の陽の雫は
まるで未熟な葡萄
ぼくの左手は思い出す
恋は死のようにあえぐと
あなたの右手は教える
時は死よりも強いと
降り、注ぐ銀杏の葉
重ならず、冷える波紋
つぐまれた明日よ、
シルクスクリーンの空に
比類ない正確さで
歴史的現在を
押し
流し、
あとは夕陽が紡ぐでしょう
あなたの顔に茜射し
あとは夕陽が紡ぐでしょう
自由詩
あなたの顔に茜射し
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都志雄
2009-11-08 00:00:02
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