岐路
ミツバチ
日常生活が崩れた
声を忘れて
急速に色を失った
周りの景色は
影を残す
あなたたちの声は
もう私には聞こえない
悲鳴のように
耳を突き抜ける
頭の奥でこだました
シグナルは
急き立てるように
私を殴る
急がなくては
目的の無いまま
飛び出して
行き先の分からない列車で
誰かの人生を
駆け抜ける
あなたは差別した
肌の色
瞳の色
声の色
本質を見抜こうともせずに
なんて愚かなの
嘘ばかり身に纏い
わたしを蔑むのね
現れた岐路に
どちらも選べないまま
先へ進まず立ち竦む
もう秋も終わりだというのに
何かが音を立てて
終わっていく
いつの間にか酷く曲がりくねった道は
どこで外れたのかすら分からず
希望を失くした
耐え難い喪失感で
肌を掻きむしれば
涙も血で染まる
私は何を得たのだろう
まだ道の途中
遠くは霞んで
途方に暮れて
目の前の岐路だけが
私に迫っている