この城でヒトリで蛾をして
ひとなつ

いい夢が見られますように

女王は18mの天井を見あげ、そう囁いた

寒くて眠れない

ローズの芳香がオーロラのようにベッドを覆い

時間が夜空を右にうつろう

シーツにくるまる蚕の女王は夢に落ちて、

永久にまとわりつく繭を焼きはらった


ここは廃墟、枯れた荊の城


自由詩 この城でヒトリで蛾をして Copyright ひとなつ 2009-11-07 02:42:44
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