うす曇りの午後に
瀬崎 虎彦
静謐と漢字で書くと
二文字目で迷い
うす曇りの午後に
うーんと声を出してしまう
来週の今頃はいったい
何をしているかしらと
手帳をめくっていると
もう残りページが少なく
こうして少しずつ
文字を書きつけながら
自分が生きていたことを焼き付ける
誰も読まないものに
まだ見知らぬ人への声を
ゆるやかに伝える言葉を渉猟する
自由詩
うす曇りの午後に
Copyright
瀬崎 虎彦
2009-11-06 00:42:37