愛昧
愛心

きっと気づいてない
君は 優しいから

そして 分かってもいない

曖昧な境界が どれだけ
僕を不安にさせてるのか

空と海
夜と朝
鏡に映る 紛い物

君は僕を好きだと言う
僕は君を好きだと言う

その二文字の意味合いを すれ違ったまま

僕は気づかない振りして
君は何も知らない

その無垢な優しさは
残酷に 僕にしるしをつけるのに

拭っても 洗っても 擦っても
こびりついて離れない

僕の見えないところ

君だけだよ こんなの残していったの

まるで傷跡のようだと
喩えの醜悪さに嘲笑わら

声にならない雄叫びをあげて 君の幻想を追う僕は
吐き気がするくらい 気持ちが悪い

君の優しさは 僕を解放してるつもりだろうけど

逆だ
逆さまの王様が笑うよ?

痛みだけ残して 僕を堕としていく

お願いだから 愛しいひと

僕を見てくれないなら
君が本当に優しいなら

これ以上苦しみたくないから
これ以上醜くなりたくないから

いっそのこと
はっきりと
『嫌い』
だと言ってくれ

その愛のある優しさに惹かれたのに
今はその愛が 何よりも苦しいんだ


自由詩 愛昧 Copyright 愛心 2009-11-06 00:19:14
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