泣き声でステープル
瀬崎 虎彦
見るともなしに見る
未練は粘性が高く
みるみる涙満ちて
私 目を離すことが出来ない
除雪車みたいに音を立てて
花びらのように軽やかに
逃げる隙もなく広々と
または鋭くステープル
とどまれ私 ステイ・ヒア
今感じているこの気持ち
明日の朝も覚えていられるように
泣きそうになる
声を覚悟で綴じ込めて
何度も何度も綴じ込めて
自由詩
泣き声でステープル
Copyright
瀬崎 虎彦
2009-11-04 21:15:51