詐欺林檎
加羅

真っ赤な嘘で固めた
毒を隠し
殿方に近づき
虚像の世界で理想を演じる
忘れかけていた
甘酸っぱい味に触れ
何人もの殿方が
騙される背景には
諦めや寂しさの
隙間があって
美しい光沢と甘い香りに
つい夢を見てしまう
食うも食われるも
双方哀れな話
男と女が存在する限り
消えない話
嫌な話
現実はお伽話になれないの
だってそうでしょ
魔法から目覚めさせたのは
キスじゃなくて
カネだもの


自由詩 詐欺林檎 Copyright 加羅 2009-11-03 21:24:13
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