ひとりあそび、ひかり
小池房枝

ひとの詩が読めなくなって久しいので
もうずっとひとり遊び

読んでいて今日は
ひかり
という言葉をひろった

ひのひかり
つちのひかり
みずのひかり

ひのひかり
つきのひかり
ほしはあかり

くものひかり
かぜのひかり
そらのひかり

そらのあの
雲とか風とかが行き来する透明な部分ではなくて
青いところは
ほんとはなんて呼ぶのか


それからひかる土
ひかるきのこの菌糸のベッド

海のひかり
ひかる生き物
ひかる海水
発光バクテリアの海、ミルキーシーという

土ではなく
大地が光ると聞いたのはレイアース
レイって
なんのかがやきなのか

かがやき
ひかりとかげがその意味を分けなかった頃の何か
名残りででもあるかのように
かがみ
かがやき
ひかりみ
ひかりやか
ひややか

ひかりは日借りかな
遡ればふぃかりとぴかり

ひたひたと
ひそやかに
ひを借りてひびを生きて来ているひとたち

読んでいて今日は
ひかり
という言葉をひろった

ひろって大事に
ひとことだけもって帰った


自由詩 ひとりあそび、ひかり Copyright 小池房枝 2009-11-03 00:28:52
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