母親だの塾だの
智哉

メメ子がテストで76点獲った
唯一得意な英語だった
しかしメメ子の数学は31点だった
メメ子は数学が大の苦手だ
母親は勉強しないからだと叱り
塾の先生は母親に平謝りしたついでに
メメ子を哀れみを込めた目でチラ見した
メメ子は思った
何故テストの点が出るたびに
このように同じ光景が繰り返されるのだろう
あるべき指導は日常から為されているべきで
結果が出た日にまとめて為されるべきではないのに
メメ子はそういう思考に於いて聡明だった
が、まだ周りの大人は気付いていない
だからこそデジャヴのような光景が繰り広げられている
メメ子はまた思った
毎回のように塾にクレームじみた面談を申し込み
自ら育てた我が子の批判をわざわざしにいく
うちの母親は暇人なのだろうか
毎度のように乗り込んでくる
営業妨害にもなりかねないこの保護者を説得できず
居もしない優秀な担当者を生徒につけると
そのために物理的な学習時間拡大を打ち出す
この個別指導塾は本当に教育者集団なのだろうか

メメ子は目を閉じた
冬の音がする
受験がおわれば、子供でも作ってみるか


自由詩 母親だの塾だの Copyright 智哉 2009-11-03 00:03:14
notebook Home 戻る