月夜
瀬崎 虎彦

いきているのか
しんでいるのか
わからないまま
湖水の上を歩く

光はもう見えず
声ももう聴かぬ
私の肌を通して
水面に気泡立つ

温度は寂しさで
あなたは弱くて
困った人だけど

       世界を甘く見て
       人を傷つけたり
       しないから好き


自由詩 月夜 Copyright 瀬崎 虎彦 2009-11-01 15:57:33
notebook Home 戻る