一期一会
こしごえ

その時、電波時計は、冷えた
脳髄の裡に在るとらえられな
い静かな膨張を指していた。

十六時の零七分

特に意味は無いその時でさえ、私は
、空を見つめ映った、やりきれない
微笑を浮かべるクセがある。
九重座はみち構築されつつ
ある崩壊の序曲を地底で聞く
むこうににじむ。
すべからく降るべき星影が降らない
内部に持つ
(存在についての終わり無き自問)

帰らぬ曇天を やさしく見守る青い空
焦点を飛ぶ羽
なつかしくはばたくどこか
遠く
世界を共有してくれるか
幻想のプールを泳ぎ
永い夢へ

とりのこされた覚めることのない影
ささやく
夕べは一度きり
拝礼をする






自由詩 一期一会 Copyright こしごえ 2009-11-01 06:32:12
notebook Home 戻る  過去 未来