岡村明子

なんだろう、風がすずしいのは
どこまでも突き抜けていくんだ
水色のベールに覆われているということを
空は気づかせない
視界良好
闇はまとわりつくが
空は遠くにあるだけだ
どんな風にあるのだか
誰も説明できないのだが

なんだろう、風がすずしいのは
風の先をつい見たくなる
夏は太陽との直接対決だから
人がこんなに優しい顔をしているということを
見ないで歩いている

すべてを明らかにするのは
光ではない
風がすべてを洗って
素直な心で
手をつながせる



自由詩Copyright 岡村明子 2004-09-17 00:02:08
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