この心臓では
瀬崎 虎彦

華やかに君は笑っていて
フリルをひらひらさせて
僕の心にスタッカートを打ち込んで
ターンテーブルの上で踊り続けて

あでやかに君は笑っていて
レモンの香りをふり撒いて
夕闇にピッチカート響かせて
心の真空にキャンディを敷き詰めて

幻の塔から白夜の森へ
手をつないで飛び降りた
絶対零度の風

耳たぶに君の温度
悲しみにウィスキーの湿度
もうこの心臓ではたえきれない!!


自由詩 この心臓では Copyright 瀬崎 虎彦 2009-10-30 23:08:38
notebook Home