ハーメルの笛
こめ

残り少ない飴を手に取り

それを口の中に運んだ

昔々の魔法が使えた頃の日々は

それはそれは楽しそうだな

軽快なケルト音楽に合わせて

何処までも蒼い草原を杖片手に歩いた

結婚は後悔が強いか幸せが強いか

もしあなたと結婚したのならば

僕は幸せを突き通す事が出来るだろうか

それとも後悔してしまうのか

まあそれは霧がかかった未来のこと

今は君が横にいるだけで良かった

いつかは散る命それは人間にとって当たり前なこと

当たり前なことだといいきかせる

水面は揺れて月をなびかせる

ハーメルの笛を吹いて世界を周り歩いた

行き場などないそれは当然

子供達はそんな先に待ち構えているものが

絶望だとは知らずに

一人また一人と数を増やす

愉快な音は笑う三日月の下で

踊りながら子供達の耳に飛込む

そして今日も三日月の晩

鮮やかな笛を持つ少年は

ゆっくりと笛に口を当てた



自由詩 ハーメルの笛 Copyright こめ 2009-10-29 22:40:22
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