夢物語〜HOME、君とボクとまどろみの中〜
もこもこわたあめ

次の瞬間
君の姿が翳んで見えた まるで生まれる前に
どこかの今ではない時代に
出会ったような感覚で
まどろむの記憶の中で明白に覚えているのは

ただひとつ とめどなくボクを飲み込む清流のごとく
生ぬるい けど心地よい開放感が全身を貫く感覚

刹那の後
再び君の姿を捉えた時には ただやさしいだけの光をたたえた
君の瞳とボクを捕らえて ボクは安堵感と虚無感と満足感の
いくつもが入り混じった清流に身を任せた

君の瞳
君の唇
君の微笑み
君の鼻先
君の腕
君の背中をなでる手のひら

君のすべて
君のすべてが愛しくて 
ボクのボクたる「もの」を受け止めてくれる
ボクがボクのままで「ある」事を赦してくれる

そんなボクだけの君=HOMEに
やっと辿り着けた

まどろみの中

ボクは今までのどれよりも静かに目を閉じた


自由詩 夢物語〜HOME、君とボクとまどろみの中〜 Copyright もこもこわたあめ 2009-10-28 21:58:17
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