夜で星で風
はちはちよん

ひたすらまっくらな夜に
星を見上げながら
歩いていると
うう、ああ、宇宙に
ほうり込まれたみたい

さっきまでふたりして
立ち尽くしてだきあっていた
わたしは背筋をぴんとして
あなたの上着が
かさかさいうのを聞いた

形状記憶したい
あなたにすっぽり
おさまるわたしを
そうしたらまた
とても遠く離れても
わたしは他のおとこの人に
フィットできないでしょ

長い間体育座りで
ならんで見ていた
水族館のくらげの水槽よ、
ぐちゃぐちゃになった餃子よ、
先輩の車のうしろの夏の風よ、
無言の帰りのバスよ、
いかないで
いかないで
いかないで

星はながれないで


自由詩 夜で星で風 Copyright はちはちよん 2009-10-27 01:04:41
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