冬の夜空ったら
恋月 ぴの

冬の夜空ったら輝く星ひたすらまぶしくて

手編みのマフラーとか恥ずかしい思い出の数々

泣きながら破り捨てた一枚の写真
私の肩を抱いていた男の顔
なんて
忘れたような
未だ忘れられないような

押入れにしまい込んだままの衣装ケース
久々に開けたら使いかけの毛糸たくさんでてきた

赤やら
黒やら
そして目にも鮮やかなピンク色まで

たぶん幸せってやつに浸りたかったんだろうね

おそろのセーターでもと買い込んだ毛糸
膝頭から
ベッドの下までかくれんぼ

あの子んちの飼いねこだったら遊び相手と喜ぶんだろうけど
私って飼いねこじゃないし

せ〜んちめんたる!
なんて
私には似合わないって今さっき決めたんだ

ふぁふぁふぁふぁ…ってオーティス・レディング
シャウトして

冬の夜空ったら輝く星ひたすらまぶしくて

優柔不断な私の涙腺刺激しまくるけど
ぐいっ!と
安っぽい涙なんかこらえてやって

私ってさ、ずいぶん大人になったものだよね

と滅多に褒めてやらない自分を褒めた






自由詩 冬の夜空ったら Copyright 恋月 ぴの 2009-10-26 22:05:58
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