背中には向日葵
相田 九龍
ことことこと、と
私の感情の白い部分や、青い部分
それにつられて濁った部分が
紙片に紛れ込んでいく
紙の裏でそれらは何やら話し込んで
私を置いてどこかに消える
いつからか私はここに
取り残されたままだ
空に語りかけた
カマキリに話しかけた
海にじゃれついた
それらは全部
私を孤独にさせた
世界のあらゆる接続に疑問を持ったとき
既に私は分裂していた
言葉は絞り出すたびに私を見放し
言葉同士を繋ぐ接続詞はいつも
居心地悪そうにして
目を離すと
どこかに逃げていくように見えた
しばらくして
私は体を鍛え始めた
手が手として動くように
足が足として動くように
肺が肺として働くように
それは地道な作業であったが
接続の快感を私は知った
孤独な私は、肉体を持っていた
それから
接続詞はまだ逃げていない
私は快適な環境を模索し
それを言葉たちに与えるよう努めた
いつからか
私の背中には向日葵が笑う