冬と反射
木立 悟






踵立ちまばゆいものが降りそそぐ爪先立ちがうまくできずに




見ひらかれ縦にふるえる眼球にくちびるは沿い声を呑み込む




胸の山胸のけだもの胸の棘胸の氷にまとわりつく笑み




雨は雨じくじくとすぐ消える雨合羽かっぱに切られたうなじおさえて




千針も音をくぐりて火に至るほころびの星ほころびの夜




かぼそきがかぼそきままに居ぬものかかぼそき底にほつれほつれて




終わらない裏と表が在るという痛みが痛みを狩りつづけても




右側に降り立つ影が息を吐き星と右目のはざま埋めゆく






















短歌 冬と反射 Copyright 木立 悟 2009-10-24 21:28:30
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