立入禁止
1486 106

木造のアパートと誰もいない交番の間の道に
立入禁止と大きく書かれた看板が置いてある
看板と電信柱の間にわずかな隙間があるから
向こう側を見てみたくなって足を踏み入れた

立入禁止の先は見たこともないような町
不自然に大きな満月が浮かんでいた
明かりの点いていないゲームセンターのような建物の前で
知らない人に声をかけられた





「君はこのあたりの住人じゃないね?どこから来たの?」





その人には顔がなかった



怖くなって僕は逃げ出した
立入禁止の看板の場所目がけて走った
だけどどんなに走っても何回か角を曲がれば
元のゲームセンターの場所へ戻ってしまう

顔のない人達に腕をつかまれて
真っ暗な建物の中へ連れていかれそうになった
不意に鶏の鳴き声が響くと
顔のない人達の動きが急に止まった

気が付くと僕は立入禁止の看板の前にいた
どうやってその場所まで戻ってきたのかは覚えていない
翌日学校の友達にこの出来事を話したけど
誰もそんな看板は見たことはないと言う

あの出来事は全部夢だったのかな?
それとも…












「セッカクモウ少シデ君モ仲間ニナレタノニ。
 マァイイヤ。明日ノ晩ハ迎エニ行クヨ。」


自由詩 立入禁止 Copyright 1486 106 2009-10-24 13:09:23
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
世にも奇妙な夢物語