凝縮血
金井省悟
騙し、喰い、さぐる仕草、俺はもはや何も覚えずに、
特に美しくもない白い近隣の柱を見てた。
記憶に無いような自己を持ち出しては油まみれにして、
それを千切り投げ捨てるような遊びに今日も居る。
これは何だ!
この乖離したうわべ!
これは何だ!
この頭にかかるヘドロと炎。
かくも見知らぬ時間に炙られて焼けて散っていった明るい日々よ。
いやァ、そんなものは無い、元から無い。
俺は超越したいんだ!幸せな何かと決別した、そう、
さながら青い空のように。
だからそうだ!
凝縮しろよ俺よ!
だからそうだ!
それを残してあとは・・・
血が!血が!血が!血が!
腐る!腐る!腐る前に!
ただ!意味!ただ一つ!
それだけ、そう。
それだけ、そう。
心臓に純金の意味を!
ああ!
赤色の重力!が背骨からトロトロと、
何だろう、悲しみの報告はいつもより遅れている。
飲み干したいのか、それとも拭いたいのかどれが美しいのか、それとも、
燃やしてしまうのか。
血が!血が!血が!血が!
腐る!腐る!腐る前に!
ただ!意味!ただ一つ!
それだけ、そう。
それだけ、そう。
心臓に純金の意味を!
俺は口を閉じて
体で考えてた
眠っても、なじっても歩いても、
邪魔なだけだ。
俺が。
・・・だからそうだ、
凝縮しろ、
凝縮しろ、
拡散するな。
凝縮しろ・・・
血が!血が!血が!血が!
腐る!腐る!腐る前に!
ただ!意味!ただ一つ!
それだけ、そう。
それだけ、そう。
心臓に意味!意味!意味を!
でも!
血は腐る!
血は腐る!
血は腐る!
血は腐る!