子を想う
吉岡ペペロ

うっすらと

冷えた微風にほんのりと

さやかな湿度とキンモクセイ

夜道をスーツは落ちてゆく

まよこを電車が落ちてゆく

ほんのりと

さやかな湿度と焚火のなごり

胸のなかが外気にふれる


そんなときだ

失った子の名を呼んでいるのは

顔さえ知らぬ

わが子の名を呼んでしまうのは


うっすらと

冷えた微風にほんのりと

さやかな湿度とキンモクセイ

夜道をスーツは落ちてゆく

まよこを電車が落ちてゆく

ほんのりと

さやかな湿度と焚火のなごり

胸のなかが外気にふれる


自由詩 子を想う Copyright 吉岡ペペロ 2009-10-21 00:02:46
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