秋の夜長をつれづれに。
aokage





何も考えなくて良い。

人が造った光の造形物を肴に、安酒を煽る。

聞こえるのは虫の声と、遠くをゆく車の音だけ。

嬉しい事も、嫌な事も、

この時だけは、思い出さずに。



静かで、穏やかな時の流れに身をまかせる。



あの光の中には、どれだけの人の営みがあるのだろう。


一つひとつの光の中に、一つひとつの生活と想いが。


たゆむことなく、緩やかに、


流れ続けているのだろう。




川面を跳ねる魚たちも、木陰で眠る鳥たちも。


ここから見たら、総てが同じ、儚い命。



風に揺れる、藤の葉も、

快くただ、さやさやと。

心に優しく、触れてくる。




全てのモノが、ワタシを見捨てず、


ただ此処に在る命を、受け止めて。




限りなく、共に、最期まで在りたいと。





こんなにも身勝手な私を見捨てないでいてくれて、ありがとう。


どんな時でも、存在し続ける事を許してくれて、ありがとう。





例えば暗い、闇の中、


捕らわれてしまう事が、あったとしても、



あなた達の事を想えば、それだけで。






私は必ず、救われるだろう。







そんな、あなた達の存在に、


唯々、感謝の気持ちを贈る…。






自由詩 秋の夜長をつれづれに。 Copyright aokage 2009-10-18 19:20:18
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