秋の夜長をつれづれに。
aokage
何も考えなくて良い。
人が造った光の造形物を肴に、安酒を煽る。
聞こえるのは虫の声と、遠くをゆく車の音だけ。
嬉しい事も、嫌な事も、
この時だけは、思い出さずに。
静かで、穏やかな時の流れに身をまかせる。
あの光の中には、どれだけの人の営みがあるのだろう。
一つひとつの光の中に、一つひとつの生活と想いが。
たゆむことなく、緩やかに、
流れ続けているのだろう。
川面を跳ねる魚たちも、木陰で眠る鳥たちも。
ここから見たら、総てが同じ、儚い命。
風に揺れる、藤の葉も、
快くただ、さやさやと。
心に優しく、触れてくる。
全てのモノが、ワタシを見捨てず、
ただ此処に在る命を、受け止めて。
限りなく、共に、最期まで在りたいと。
こんなにも身勝手な私を見捨てないでいてくれて、ありがとう。
どんな時でも、存在し続ける事を許してくれて、ありがとう。
例えば暗い、闇の中、
捕らわれてしまう事が、あったとしても、
あなた達の事を想えば、それだけで。
私は必ず、救われるだろう。
そんな、あなた達の存在に、
唯々、感謝の気持ちを贈る…。