低温火傷
中原 那由多
移り変わりの雑踏が庭を塗り替える
浮わついた駆け引きなんかじゃなく
思わせぶりな後ろ髪にやはり騙された
自己防衛の意思がむしろ
赤い眼鏡をかけていることを想像させる
発信源は未だ不安定
欠けた部品の代わりを得ようと
狼の真似をしてみたけれど
ひたすら孤独は深まるばかりで
広告内容に意味もなく苛ついた
膨らんだのは憎悪と決めつけ
野垂れ死んだのは少し前の話
迷いなく起こした化学反応を
労働意欲で中和したのは特別ではない
まあいずれにせよ、地球はくるくる回ってる
レム睡眠の入り口手前
自分の言葉に責任持てと
野次を飛ばした監視員
修正液を真面目に使い果たし
花瓶の花をもぎ取ってしまったせいで
謹慎処分を言い渡された