低温火傷
中原 那由多

移り変わりの雑踏が庭を塗り替える

浮わついた駆け引きなんかじゃなく
思わせぶりな後ろ髪にやはり騙された
自己防衛の意思がむしろ
赤い眼鏡をかけていることを想像させる


発信源は未だ不安定
欠けた部品の代わりを得ようと
狼の真似をしてみたけれど
ひたすら孤独は深まるばかりで
広告内容に意味もなく苛ついた


膨らんだのは憎悪と決めつけ
野垂れ死んだのは少し前の話

迷いなく起こした化学反応を
労働意欲で中和したのは特別ではない

まあいずれにせよ、地球はくるくる回ってる


レム睡眠の入り口手前
自分の言葉に責任持てと
野次を飛ばした監視員
修正液を真面目に使い果たし
花瓶の花をもぎ取ってしまったせいで
謹慎処分を言い渡された



自由詩 低温火傷 Copyright 中原 那由多 2009-10-18 11:32:51
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