十人単色恋模様嘆句 (ジフニンタンシキコヒモヤフナゲク)
邦秋

「愛してる ただそれだけを 伝えたい」?
「着信が 入ってないと 淋しくて」?
「いつもいつまでも あなたに 会いたくて」?
「たくさんの 言葉と幸せ ありがとう」?

 一四世紀前が今だったら
 こんな言葉が残ってた?

 宝石よりも手頃な石コロを
 いつから放つようになった?

 歴史に、国語史に、芸術史に
 言葉の文化を刻むのならば

 今、世に溢れる流行りの句(うた)は
 ありきたり過ぎた恋愛三昧

「古(いにしえ)の 言葉と心の 気高きは
現在(いま)の浅はか 嘆くばかりか」。


自由詩 十人単色恋模様嘆句 (ジフニンタンシキコヒモヤフナゲク) Copyright 邦秋 2009-10-18 00:45:46
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